「なぜいつも私ばっかり」「夫だけズルい」「私だって少しは休みたい」
共働きなのに、家事や育児の多くを担うのはまだまだ女性が多いですよね。
この記事は、共働き歴6年目の私が、共働きにつきまとう不公平感の原因を脳の仕組みと社会構造から考えてみました。
目次
共働き夫婦が不公平感を感じるときは?
ゲンナイ製薬株式会社が0〜12歳の子どもを持つ共働きの男女に「共働き夫婦の夫婦仲と不公平感」についてアンケート調査を実施しています。
そこで出てきた男女の不公平感の差は以下の通り。

男性29.8%に対して、女性54.6%です。
女性の方が不公平感を強く感じていることが分かります。
共働きの不公平感-男性はやるべき家事が見えていない
共働き夫婦で一番の争論になるのは家事分担。
料理、洗濯、掃除と大きな家事はこの3つですが、他にも小さな家事がいーっぱいあります。
保育園の準備物、家計管理、庭の草取り、役所への書類提出、日用品の在庫管理、トイレットペーパーの取り換え、シャンプーの詰め替え作業、シーズン毎のカーテン類洗濯、エアコンクリーニング依頼etc…
あげだしたらキリがありません。
私がせかせか動いている間、旦那はスマホをいじってばかり。
「こんなにやることいっぱいあるのに何で気づかないの?!」
と不思議でたまらなくなるときがあります。
これは脳の仕組みの「同じ世界を見ていても、人によって注目すべきことが変わる」ことに関係しています。
人って、同じ景色を見ているようで、全く同じようには見ていないんですね。
そこにいたのは何人かと答えられる。
ある人は景色の中の「天気」に注目している。
その日が快晴だったか曇り空だったか覚えている。
同じ世界を見ていても、人によって注意を向ける対象が違うと、気づくポイントも違ってくるんです。
家事についても同じで、女性には目の前にタスクの山が見えているのですが、男性にはその山が見えていない。
見ないふりしているというより、そもそも見えてない。
見えていないから、何もしない。
この状況というのは「オモテ化」することで解消されます。
一度、家事分担表を作ってみて、いかに自分の抱えているタスクが多いかを共有してみるといいでしょう。
共働きの不公平感-専業主婦前提の社会
もう一つの原因は、日本が「専業主婦前提の社会」から抜け出せていないから。
戦後から始まった高度経済成長期から、1900年代にかけて”モーレツ・サラリーマン”という言葉が流行りました。
その名の通り、仕事に全力で取り組むサラリーマンを量産し、日本はそのおかげで経済大国に成りあがったという成功体験があります。
そのときの雇用形態は男性は朝から晩まで会社で働き、妻は家庭で育児や家事を担うという役割分担でした。
当時としては合理的な分担だったと言えます。
ですが、今は働き方が大きく変わっています。
今では共働き世帯の割合が専業主婦世帯型働き世帯を超えているというのに、働き方は1900年代のまま。
モーレツ・サラリーマンをしていた人たちが企業の幹部や役員になっているため、その下で働く社員は休むことなく働くことを強要されます。
そこで、子どもが熱を出して休むような事態になれば、「育児は母親がするもの」という古い価値観から、母親側が休まざるを得ないということになります。
また、学校などの行政も「妻は家にいるもの」とした考えが抜けていないので、PTAや役員会が平然と平日の昼間に行われます。
共働きの不公平感-ケアワークの外注化が進んでいない
女性の社会進出が進んでいる欧米諸国では、ハウスメイドやベビーシッターの利用も盛んです。
日本でも家事代行やベビーシッターサービスの需要は増えていますが、ベビーシッター利用率は5%未満と、まだまだ浸透していません。
それに対してアメリカは58%の家庭が月に1回以上ベビーシッターを利用しています。
海外でなぜこれが上手くいっているかというと、一つはそのようなケアワークをする人たちに、人件費の安い外国人労働者や、無資格の学生などを使っている人も多いからです。
日本では1ヶ月丸ごと頼むと30万円くらいかかりますが、アメリカでは月に5~6万円までに収まる程度の費用で済みます。
これは供給側の賃金が安いからということが関係しています。
もう一つ、ケアワークの外注化が浸透しない理由として、「他人に任せられない」という考え方が強いことがあります。
日本では家事代行一つとっても、お仕事が非常に丁寧でした。
ベビーシッターも有資格者じゃないと不安といった声も聞きます。
でももっと、簡単にでもいいから、任せたい家事ってありませんか?
些細なことで言えば、ゴミ出しや簡単な部屋の掃除、ワンオペ中の補助要員として。
別にプロに頼むほどでもないから自分でやっちゃおう、これの積み重ねで、結果家事や育児の負担が大きくなり、不公平感につながります。
サービスの料金は需要と供給のバランスで決まるので、もっと私たちが望めば、サービスの幅が広がったり、料金が下がる仕組みができるでしょう。
まずは私たちがケアワークは外注化してもいいという価値観を持つことが大切です。
そしてそれを少しずつ社会に反映させていく。
まとめ
- 男性はやるべき家事が見えていない
- 専業主婦前提の社会
- ケアワークの外注化が進んでいない
単に旦那は全然分かっていない!という怒りで終わるだけでなく、様々な角度から状況を考察してみました。
私たちが感じる不公平感は家庭内だけの話じゃないんですね。
ということは、社会全体を変えていかないと、この問題は解決しないということ。
特に専業主婦前提の社会については、中野円佳さんの『なぜ共働きも専業もしんどいのか 主婦がいないと回らない構造』という著書の中に詳しく記載があります。
中野円佳さんは他にも『「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? 』など、ワーママが感じる社会の疑問について研究されている女性ジャーナリストです。
気になった方はぜひ読んでみてください。
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