時短勤務をしている時の話です。
他部署で働いている女性の先輩社員からこんなことを言われました。
「いいな~時短。私の部署は忙しくて時短なんてできないわ~。」
この先輩、そのとき妊娠中でまもなく出産を控えている方でした。
「自分が復帰しても仕事が忙しくて時短なんて取れない。時短できるあなたの部署は暇でいいわね」という嫌味だったのでしょう。
当然、イラっとして「いやーホント迷惑かけてるんですけどね、皆さん優しくて助かってます」なんて引きつった顔で答えるのがせいぜいでした。
育休や時短勤務など、他の人と少しでも違うことをするとこのような無神経な言葉を投げかけられることがあります。
不妊治療中には「子どもできないなんて旦那さんへの愛が足りないのでは」と言われたり、ミルク育児中には、丸々太った子どもを見て初対面なのに「ミルク?」と聞かれたり、、、
おかげでマウントに対する耐性はかなりつきました。
そこでこの記事では出産や育児にまつわる無神経なマウントから身を守る方法をお伝えします。
目次
マウントする人のタイプ
マウントするタイプの人は以下の3つに分類できるかと思います。
- 自己顕示欲が強い
- 共感能力が低い
- 相手が欲しいものをあなたが持っている
順番に解説していきます。
自己顕示欲が強い
一つ目の自己顕示欲ですが、「私はこんなことしてきた」「○○で評価された」「こんなこと知ってるよ」と聞いてもいないのに、自分のことや知っている情報を押し付けてくるようなタイプがこれ。
とにかく自分の話をしたがる。
昔ながらの「武勇伝おじさん」もこのタイプでしょう。
このタイプは「褒められたい」「認められたい」という気持ちが強いので「すごいね」と適当にあしらっておくのが良いのですが、毎日毎日自分の話ばかりされるのはさすがにつらいです。
共感能力が低い
共感能力とは他人の意見や感情に寄り添う気持ちのことです。
マウントは傍から見ると確実にその人自身の評価を落とす行為ですが、やっている本人はその行為が他人の目にどう映るか、他人からどう思われるかが分かっていないのです。
自分のことを客観視できていないとも言えるでしょう。
「こんなことを言ったら相手は嫌な気分にならないかな?」
そのちょっとした気づかいができないタイプなのです。
相手が欲しいものをあなたが持っている
マウントはレベルが明らかに違う人に対しては面と向かってはしません。
例えば目の前に本田圭佑がいても「サッカーはできるかもしれないけど、でもあなた高卒でしょ?」なんて言いますか?言いませんよね。
マウントは同じくらいのレベル、あるいは少し下に思っている相手に対して行ないます。
当然ながら人はそれぞれ違う性格を持って生まれてきて、育った環境も違う、歩んでいるキャリアも違います。
何もかもに恵まれた人なんていませんから、自分に足りないと思っているものをもしかしたらあなたが持っているのかもしれません。
例えば優しい旦那さん、近くに家事育児を手伝ってくれる両親、育児をとっても継続できるキャリア、はたまた若さなど。
欲しいものを全て持っている人なんていませんから、あなたの持っているものに嫉妬して別の所で揚げ足を取りたくなるのです。
以上三つのパターンをご紹介しましたが、要するにマウントする人は「精神的に未熟」だということです。
だからまともに相手をするのは無駄。
とはいえ毎日顔を合わせるような人だと会うたびにマウントを取られては精神的に参りますよね。
そこで私が実際に行っている対処法をご紹介します。
マウントへの対処法
話をまともに聞かない
まず、私たちの強い思い込みの一つとして「話はきちんと聞かなければならない」があると思います。
これは幼少期から無意識に叩き込まれた一種の呪いのようなものです。
授業は真面目に聞きなさい
先生の言うことはきちんと守りなさい
社会に出ても
先輩や上司の言うことはきちんと聞きなさい
とずーーーっと教えられてきました。
大体の場合はこれは正解なんですが、マウントに対しては違います。
なぜならマウントする人は結局自分のことしか見えていないからです。
「他人より優位に立ってる自分気持ちいい」
そこに相手への配慮とか気づかいとかは一切入っていません。
だから話半分で聞いていてもオッケーなんです。
「そうですねー」「大変でしたねー」「ふむふむ。それで別件なんですがー」
と適当に相づちを打って、話をしている間は晩御飯の献立でも考えましょう。
解釈を変える
それでも2人で面と向かって話す場合などでは話を聞かずに意識をそらすというのはなかなか難しいですよね。
では、話を聞くけどもストレスを貯めずに過ごす方法はないか?
それは話の解釈を変えることです。
例えば「時短が使えていいわねー」と言われたとき私はこう解釈しました。
「あなたの仕事は暇なのねー」と。
でもそれってよく考えると私の勝手な想像です。
もしかしたら相手には別に攻撃する意図があった訳ではないかもしれません。
またマウントを取る人はどこか心に不満がある人ですから「この人、心に不満があるのね」「最近嫌なことがあったのかもしれない」とマウントする人の状況に思いをはせてみることも効果的です。
このように今ある状況を少し離れた視点から見ることを「メタ認知」といって、人間の高度な知性として注目が集まっています。
マウントの意見を真っ向から受けずにメタ認知することで、意見そのものの内容から意識をそらし、マウント攻撃の被害を最小限に抑えることができます。
メタ認知は柔軟な思考を助けるもので、職場や家庭でも役に立つ能力と言われていますから「これはメタ認知を鍛えるトレーニングだ」と割り切って対応するのも一つの手です。
それでも無理なら距離を取る
それでも毎日顔を合わせる人だったり、立場上逆らえない関係性だったりすると日々のストレスは増大していきます。
その場合は「距離を取る」という手段しかないでしょう。
同僚であれば付き合うグループを変えたりするのは比較的容易でしょうし、上司がマウントを取る場合には他部署への異動願いを出したり、最終的には転職するという手もあります。
今すぐに転職というのは極端ですが「いざとなれば離れられる」という選択肢を持っておくことは精神的な支えになると思います。
マウント先輩のその後の話
冒頭の「時短取れていいわねー」と言っていた先輩。
無事に出産して育休をとって復帰しました。
マウントを言われた当時、私は1時間の時短をしていたのですが、なんとその先輩、自分が復帰した時には社内規定で定められている最大時短時間の2時間をとって復帰していました。
別に1時間取ろうが2時間取ろうが個人の自由なのですが、要は結局マウント取る人も自分が言ったことなんて覚えていないわけです。
相手が気にもしていないことについて私たちが頭を悩ませるなんてバカらしいじゃないですか。
子育て期は何かと不利に扱われたりすることも多いのですが、華麗にスルーできるようになるとストレスを貯めずに過ごせるようになります。
上手なスルースキルを身につけて、子育て期のモヤモヤを乗り越えていきましょう。
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