育児で悩んだ時に~アドラー心理学~

子どもが言うこと聞いてくれない、他の子と違う…

育児をしていたらそんな悩みがつきません。

特に責任感が強かったり、人の目が気なるタイプの方は特に悩みが強くなってしまうかもしれません。

 

私もそんな悩みで頭を抱えていた1人ですが、アドラー心理学の考え方を知ることで随分心が軽くなりました。

他にも同じように悩む人がいれば、アドラー心理学が助けになるかもしれませんのでご紹介したいと思います。

 

アドラー心理学とは?

オーストリア出身の心理学者、アルフレッド・アドラーの提唱した心理学です。

それまでのフロイト理論はその人の過去が現状を作り出している(原因論)と考えられてきました。

例)過去に酷い環境で育ったから犯罪を犯すのだ

対するアドラー心理学は目的論とも呼ばれ、人間は目的の為にのみ行動すると考えます。

例)犯罪を犯すための理由を過去の環境のせいにしている

 

育児中であれば、子どもを怒る時に「子どもが悪いことをしたから怒る」というのが原因論で、「怒りを発散させたいから子どもの悪態を理由に怒る」というのがアドラー心理学の目的論になります。

 

では、アドラー心理学は自分を責める為にあるのかというとそんなことはありません。

先程の例、目的論では第三者目線で状況を分析していると思いませんか。

これを「メタ認知」とも言います。

「自分は今怒りを吐き出したいのだ」と自分の感情を客観視して気づくことが大切なのです。

怒りを吐き出したいのであれば、そこを解決すれば良いわけですから、新聞紙をビリビリに破きまくるとか、しばらく子どもは騒がせておいて自分は好きな音楽をイヤホンで聴くといったストレス発散法など、「子どもを怒る」以外の方法が見つかるはずです。

これは安易に「子どもを叱ってはダメ」と指導されるのとは大きく違います。

自分の状態を目的論を使って冷静に考えてみると、今自分は怒りを吐き出したいほど疲れているということを認識できたり、怒る以外にも方法があったのかもと思えるようになります。

 

では子どもの行動にも当てはめて考えてみるとどうでしょう。

子どもはよく物を投げたり、癇癪を起こしたりして親を困らせます。

これも目的論で考えると「親に注目されたいから異常行動に走る」のだと考えられます。

そうであれば、癇癪を起こした時だけでなく、普段から「私はいつもあなたを見ているよ」という気持ちで子どもの相手をしてあげることで事態が緩和されるかもしれません。

悪意があって親を困らせようとしているのではなく、単に相手をしてほしいだけと考えると何だか可愛いですよね。素直じゃないな~とこちらから抱きしめたくなりませんか。

 

同じ状況でも捉え方一つで事態はそんなに深刻ではないと思えるようになり、これだけでも随分心が軽くなりました。

 

課題の分離

課題の分離とは、自分と他人の課題を分けて考えることです。

課題とは「すべきこと」です。

誰の課題か?「それをしないことによって困る人」です。

 

課題の分離で、子どもと親、ぞれぞれの課題に必要以上に踏み込まないようにすることが大切です。

 

私の子が現在進行形で食べ物の好き嫌いが激しく毎回食事の時に悩まされています。

ご飯を食べないという状況をそれぞれの課題に分解してみると

子どもの課題:ご飯を食べること

親の課題:ご飯を作って提供すること

です。

 

以前は子どもの課題を必要以上に抱え込んでしまい、食べさせよう食べさせようとイライラしながら食事を介助していました。

これは課題の分離が出来ていない状態です。

 

食べることは子どもの課題ですから、親にはどうしようもありません。

ただ親が出来るのは子どもが自分で食べようと考えるまで見守ることだけです。

他にできるのは、子どもが自ら食べたくなるように食器を好きなキャラクターのものにしたり、食事の時に明るくお喋りしながら食べたりして、ご飯が食べたくなるような環境を整えることです。

そもそも余りにもお腹が減っていたら目の前にあるものを食べるはずですから、食べないということはそれで十分なのかもしれません。

 

また、逆に親が頑張ってご飯を用意するほど、自分の課題を他人に評価して欲しい気持ちが強くなります。

つまり子どもに親の課題を負わせようとしているのです。

だから食事もそんなに頑張って作るのをやめました。

元から大したものは作っていませんでしたが、おやつなどは頑張って手作りしていました。

これも余裕がある時は続けていますが、無理してまでやる必要はないと考えるようになりました。

とにかく、互いの課題に踏み込まない、踏み込ませないようにすることがストレスのない育児をするためには大切です。

 

他人と比較しない

他の子はできるのに、うちの子はできない、といった悩みもよくあります。

しかし私たちは全員が1本のはしごをみんなで競いあって、登っているのではありません。

 

イメージとしては水平上にみんなそれぞれの道があって、各人がそれぞれの道を歩いているだけです。

他人と自分の道を比較しても、道が違うんだから仕方がないですよね。

 

そうであれば子どもの道筋上で過去の子どもと今の子どもを比べて進歩してるかどうかに視点を向けてください。

子どもは親があれこれ心配しなくても毎日少しずつ、きちんと成長していってるはずです。

その進歩を認めてあげるようにしてください。

 

他人への貢献感:勇気付け

子供が今までできなかったことをできるようになると、「すごいね」と褒めることがあると思います。

しかし、時に子供にとってはなんてことないことでも大げさに褒めてしまうと逆効果になることもあるようです。

というのも、すごいねと褒めるのは本来上から目線の言葉だからです。

例えばあなた(妻)が病院の待合で静かに過ごせたとします。それを夫からすごいねと褒められたらどうでしょう。

バカにされたと思いますよね。

褒めるというのは出来る者が出来ない者に対して上から目線で行う行為なのです。

確かに子どもは大人よりもできることが少ないですが、だからといって何でもかんでも上から目線で言うべきではない時もあります。

 

そこで、じゃあどんな声掛けをしたらいいかというと、「ありがとう」です。

これをアドラー心理学では勇気付けと言います。

 

何かをしてもらった時にありがとうと言いますよね。

逆に何かした時にありがとうと言われますが、言われると嬉しくなりませんか。

これは自分が他人の役に立てたことを誇りに思えるからです。

これを他人への貢献感と表します。

 

子どもにも貢献感が育つように促すのが親の役目と言えます。

先ほどの例を子どもに置き換えて、病院で静かに待っていられたら「静かにしてくれて、ありがとう」と言います。

すると子どもの中で「静かにすることで親の役に立てた」と心の中で感じ取れます。

これを積み重ねていく事によって子どもの貢献感が育ち、「人の役に立つことは良いことだ」と考えられるようになります。

 

さて、育児の悩みと貢献感が何の関係があるかと言いますと、「ありがとう」は何かをした時にだけ使うものではありません。

生まれてすぐの赤ん坊は本当に何もできない存在です。

それでも存在していること自体が既に私たちの喜びとなっているために

「生まれてきてくれて、ありがとう」

というフレーズが生まれてくるのです。

つまり、子どもは存在しているだけで親の喜びに貢献しているのです。

 

育児をしているとつい忘れてしまいますが、子どもの存在の大切さに気づくと、以前より広い心で子どもを受け止められるようになりました。

そして毎日のように「ありがとう」と言えるようになりました。

 

終わりに

アドラー心理学は奥が深く、私も完全に理解しているとは言えません。

また、育児の個別の悩みを表面的に解決できるものでもありません。

しかし根本の考え方を見直すことによって、見える景色が随分と違ってくるはずです。

育児で悩まなければアドラー心理学に出会うこともなかったですし、子どもの存在の大切さ気づかずにいたかもしれません。

全ては子どもに、「ありがとう」と伝えたいです。

 

 

参考図書:

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