
こんな疑問に答えます。
- ワーママが評価されない理由
- 他の国はどうか?
- 評価されないのは価値がないこと?
目次
ワーママが評価されない原因は日本の会社の仕組みにあった
長く働いた人が評価される
遅くまで残っている人が偉い、休日出勤すると「お、頑張ってるね」と声をかけられる。
こんな光景見たことありませんか?
日本企業では職場にいる時間が長いほど「頑張っている」と見なされる傾向があります。
私は人事のお仕事にたずさわっていたことがあるので、労働時間の管理や人事評価を目にすることは日常的にありました。
そこで驚いたのが、残業時間が長い人ほど、ボーナス査定の評価も良い傾向があること。
もちろん、仕事量を他の人に比べて沢山こなしていたり、繁忙期にしっかりお仕事に従事していたということも要因の一つでしょう。
でもそれって、仕事をしている時間が長くないと達成できないですよね。
しかも普段からブラック企業でもない限り、残業した分は残業代がもらえるわけです。
残業代ももらえて、ボーナスの評価も上がるなら残業しないメリットないですよね。
ブログで7500万円稼ぐブロガー、クロネコ屋さんのツイートで以下のようなものがありました。
日本の働き方のキツい所は、キャリアアップを考えると「正社員で週5日フルタイム勤務+残業あり」という働き方しか選択肢が無い所だよね。週3日勤務や時短にしようとすると、途端にキャリアが閉ざされる。
— クロネコ屋@ブログ×SNSマーケティング (@NINJAkusokuso) May 26, 2020
仕事のために全てを犠牲にしないとキャリアを作らせない。この多様性の無さが息苦しさの原因だ
8時間×週5日+残業がデフォルトで、それを外れた人はキャリアが積みあがらない仕組みになっているんです。
実際に、私が転職活動をしていたときも、「残業はできますか?」と面接官に質問されたことがありました。
もちろん絶対にできない!とは言いません。
でも面接でそんなこと聞いてくるって、残業ありきの働き方なのかなと不安になります。
結局その会社とはご縁がなく入社することはありませんでしたが、それはそれで良かったと思っています。
職能主義
日本では「職能主義」という人事制度が主流です。
職能主義という言葉を初めて聞いた方もいるかもしれません。
職能主義とは「人の能力に報酬を支払う」仕組みのことです。
反対の言葉は職務主義。
やった仕事に対して報酬を支払う仕組みです。
欧米は、この職務主義を採用しています。
人に支払われる報酬が、なぜワーママの評価を下げてしまうのかというと、
評価が曖昧になるからです。
人の能力ってすべてが数値化できないですよね。
プレゼンのうまさ、企画の発案力、人当たりの良さなど。
曖昧になりがちな人の能力の中には、堂々としているとか、頑張っているように見えるとか、印象の部分も少なからず影響しています。
「また子どもの熱が出てしまって…ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
育児で職場に迷惑をかけていると気にしてしまうワーママは謙虚になりがち。
そんな弱い印象がマイナスとなって評価に影響している可能性は否定できません。
「家庭より仕事を優先」という価値観
「子どもの参観日があるのでお休みをください」という一言でさえも、切り出すのに勇気がいる日本の職場。
「今度家族で旅行にいくので1週間休みます!」なんてとても言えませんね。
古い日本企業では「家庭より仕事を優先すべき」という価値観が強く根付いています。
家庭のために仕事を休むということが、欠点になったり、場合によっては非難の対象となってしまいます。
仕事に人生の全てを捧げます!という人は会社にとっては都合がいいし、本人もそれで評価されるなら、ますます頑張ることでしょう。
でも、その価値観の中に収まることのできない人もいます。
家庭も大切にしていきたいと思う私たちは、それだけで仕事優先の人に比べて評価が低くなりがちです。
仕事と家庭、トータルで見たら誰よりも働いているワーママが、そのような価値観の中では埋もれてしまうのは、非常にもったいないことだと思います。
フィンランドは定時で帰るのが当たり前
日本の企業ではワーママが評価されにくい仕組みがあるというお話をしました。
働き方先進国と言われる北欧諸国、フィンランドの働き方はどんな感じなのでしょうか。
- 定時に帰るのが当たり前
- 子育ては社会でするもの
- 仕事は効率化重視
国民全体が「仕事は定時で終えるもの」という意識が強く、「長く働いた方が偉い」という日本の価値観とは大きく違いますね。
ワーママが気まずさを感じてしまうのは、部署で一人だけ早く帰るから。
みんな定時で帰ればワーママだけ目立つことはありません。
社会全体で子育てをするという文化があるので、家庭の予定で仕事を抜けても「お互い様」とフォローし合えるのも、働きやすい風潮です。
仕事は効率よくやってナンボの世界なので、頑張ってる「風」は通用しません。
きちんと仕事をやったのか?そこが評価対象です。
まとめ
- ワーママが仕事で評価されないのは日本の会社の仕組みにあった
- その仕組みとは
①長く働いた人が評価される
②職能主義
③「家庭より仕事を優先」という価値観
特に進んでいるフィンランドを比べるとよく分かりますが、日本の企業はワーママにとっては働きづらい、評価されにくい構造になっていると感じます。
ただし、ここで言っておきたいのが、会社での評価が低いからといって、あなたに価値がないわけではないということ。
会社はあくまでも会社にいる間での評価しかしません。
あなたがどんなに家族のことを思って料理をしているか、素晴らしい声掛けで子どものやる気を伸ばそうとしているか、会社は知りません。
会社での評価が全てだと思って「私には価値がないんだ」なんて思う必要は全くありません。
そもそも会社の評価なんて、その会社でしか通用しません。
現職で課長をしていた人が、転職しようとしたところ、どの会社を探しても今の給料より下がってしまうので、現職に留まるなんてことはザラにあります。
ワーママの能力を正当に評価できない古い会社なんて、いずれにせよ将来性ありません。
それよりもトータルの人生で「私にはこれができる!」「私の誇れるものはこれ!」というものを身につけておくことが大切です。
お仕事がほどほどの今だからこそ、そんな道を探して行きましょう。
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