「女性活躍」と家庭の両立は可能か?

woman work

最近「女性活躍」が盛んに叫ばれ、実際、共働き世帯の割合が年々増えていることがデータからも分かります。
専業主婦世帯と共働き世帯の推移(厚生労働省より)

さらに、欧米諸外国と比べればまだまだ少ないのでしょうが、管理職などの地位に就く女性も多くなっているようです。

ニュースでもそんな活躍している女性がよく取り上げられているという体感があります。

その中でも子どもを持つ女性もいて、同じワーキングマザーとして尊敬すると同時に何だか違和感を感じる自分もいることに気づきます。

その違和感を2人のキャリア女性の著書を紹介しながら理解していきます。

 

「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」

 

Facebook の COO(最高執行責任者) である シェリル・サンドバーグさんの「LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲」という本はご存知でしょうか。

働く女性をテーマにした本で有名なので読んだ方もいらっしゃると思います。

輝かしいキャリアでありながら2人の子持ちです。

本の内容を一部要約しますと以下のようになります。

女性もトップリーダーを目指すためには「リーン・イン(一歩踏み出す)」しなければならない。

多くの女性が上を目指してこそ本当の男女平等社会が築ける。

女性の成功は女性(だけではないが)の意識を変えることから始まる。

 

最近最愛のパートナーである夫、デイブ・ゴールドバーグ(これまたIT企業のCEO)を亡くしたとのことで非常に残念です。

しかしその悲しみさえ「リーン・イン」して乗り越えたと、新著「OPTION B(オプションB) 逆境、レジリエンス、そして喜び」で綴っています。

 

彼女の有能さや強い心は私の想像をはるかに超えるものなんだろうな。

そんな強い心に惹かれ「リーン・イン」という言葉と共に多くの女性を勇気づけました。

 

「仕事と家庭は両立できない?:「女性が輝く社会」のウソとホント」

そしてシェリルほど有名ではないでしょうが、アン・マリー・スローターも輝かしいキャリアを持つ2児の母です。

法学者でオバマ前大統領の下で働いたこともあるほどの有能さ。

 

著書の内容はタイトルから推測される通り、必ずしもキャリアと家庭は両立できるとは限らない、というものです。

本人も前述の「リーン・イン」と対極にあると語っている。

 

政府機関での仕事はとても母親業と兼務できるものではなく、家庭に歪みが出てきたことをきっかけに政府の仕事は降りることとなりました。

それでも弁護士なので大学教授としてそこそこ融通の利く働き方に変えることができたようです。

 

その経験から女性がキャリアでの成功と家庭とを両立するには、「恵まれた条件」と「運」が必要であることを学んだ、ということが書かれています。

 

 

私はアン・マリー・スローター派

どちらも私なんぞ足元にも及ばないほどのキャリアを持っているわけですが、

根っこになる悩みはハイキャリア女性でも同じなのだと親近感を覚えました。

そして女性活躍先進国であるアメリカでもまだそのような問題があるんだと驚きました。

 

私はそんなハイキャリアではないのですが、働く母親の一人としての実感で

やっぱりキャリアを追い求めるのと家庭の両立は難しそう

と感じています。

 

子どもが生まれるまではサンドバーグ的に仕事や能力をセーブする必要なく働くのは良いでしょう。

しかし子どもが生まれると生活が一変します。

 

そもそもハイキャリアを達成するためには母親一人では絶対無理で、夫婦で「分担」のレベルでも到底難しいでしょう。

 

会社の役員が日用品の不足品チェックしたりしますか?

子どもの翌日の保育園の用意しますか?

しないでしょ。できないでしょ。

役員の責任負いながら、そんな家の細々したことまでできないことくらいは想像できます。

 

ここで外国では必ず登場するお手伝いさんやベビーシッターさんなのですが、日本じゃまだ一般的じゃないんですよね。

ハイキャリア女性が少ない(需要が少ない)からサービスが豊富で(供給が)ないのか、サービスが少ない(利用しにくい)から女性がキャリアを目指しにくいのか。

卵と鶏の関係のような気がしますけど、現状はやはりサービスは少ない。

あったとしても非常に高額であるため我が家のような共働きでそこそこ稼ぎくらいの家庭じゃ赤字になります。

 

そこで地方ではよく夫婦の親が駆り出されるわけです。

両親が元気で引退後であれば頼りにできますが、そうでなければ日常的な支援は難しいです。

で、最終的には自分たちで出来るだけ乗り切ろうとして、仕事の方もそれ相当にセーブしたりしなければならないことになります。

 

このバックグラウンドがかなり違うので、社会構造から変わらないとやはり難しいのではないかというというのが持論です。

 

「できない理由」を挙げるのは好きではないですが、何もかも「女性の力で変えられる」というのは逆にプレッシャーになってしまわないでしょうか。

 

個人ではどうしようもないこともあるわけで、会社だったり社会だったり。

それにアンのように子どもからSOSのサインが出るかはそれはもう「運」ですよね。

 

それよりは色々な生き方を尊重する社会の方が好ましいのではないでしょうか。

 

アンの主張として育児や介護などの「ケア」の仕事が軽視されがちという問題が挙げられています。

 

確かにその通りで、育児に専念するため仕事を離れている専業主婦(夫)の方だって立派な社会貢献しているわけです。

それがステレオタイプを固定し男女平等を妨げている、と考えるのではなく、ステレオタイプでもそれが認められれば男女の平等感は高まるのではないでしょうか。

 

女性ももっと(ビジネスにおいて)上を目指すべき

と言われるより

ケアの仕事にもっと光を当てよう

という主張の方が私は好きです。

 

有能で意欲があって恵まれた環境があれば挑戦することは良いと思います。

でも「女性もキャリアで成功してこそ輝く」みたいに女性を囃し立てるのは、女性のプレッシャーを強めるのではないかと懸念しています。

 

シェリルはそのような限定的なことは述べていませんが、どうも最近のメディアを見ている限り特定の場面で活躍している人だけを持ち上げているような気がします。

 

長くなりましたが、私がメディアから感じる違和感とは

ビジネスにおいての成功=女性の活躍

と決めつけているように感じるところにあることが分かりました。

 

アンのように「ケアワーカー」にも脚光が当たり、みんなが自分の役割を全うすることに生きがいを感じることこそ本当の「活躍」ではないでしょうか。

そんな価値観が一般的になる日を待ち望んでいます。

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